2010年10月9日土曜日

東京大学基金・特別体験セミナー「富士演習林できのこに親しむ」



平成22年10月8日(金)


東京大学基金の特別体験セミナーが開催され、21名の参加者を迎えて、キノコに親しむイベントが開催されました。幸い天気にも恵まれ、さわやかな空気を胸一杯に吸い込みながらのキノコ探しとなりました。講義室で挨拶とスタッフ紹介をした後、早速、キノコ探し始めました。寮の目の前に現れたのは、アセタケの仲間、この名前は間違って食したときに汗がでるほど辛い思いをすることから来ているという説明に、参加者の皆さんの関心も高まります。


道路を横断して湖畔側に出ると、少し林内の湿度が高いせいか、あちこちで歓声が上がります。まず私たちの目を楽しませてくれたのは、テングタケ。毒キノコですが、小さなサイズから見事なキノコの傘まで固まって生えていました。


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また、同じところにタマゴタケの食べごろサイズもあり、こちらはひとしきり写真のモデルになった後、昼食のおかずに頂くことにしました。


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湖畔のヨット部の艇庫前で記念撮影をした後、再びキノコ探しをすると、今度はクギタケを発見。こちらも富士演習林で採れる食用キノコの代表格で、釘のような形の面白さに心惹かれるキノコです。


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湖畔広場に出て、建設中の東屋で一休憩。屋根が完成していないのが残念ですが、こちらの屋根も今月末には完成予定。富士演習林の開設当初に、学生たちに労働していただいたアルバイト・ヂンストが今日のアルバイトという語源になっているという話などが出ました。


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湖畔広場をさらに進むと、本命のハナイグチがまとまって生えているところを発見。カラマツを取り囲むように生えているのですが、全てのカラマツに生えているわけではなく、どうして特定のカラマツにだけ生えるのか不思議です。サイズは小さいものの、食べごろサイズが結構採れました。やっぱり食べられるキノコが採れると自然と盛り上がります。


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昼食では、参加者全員で採ったハナイグチやクギタケを入れたキノコ汁を頂きました。いつの間にか時間を少しオーバーしてしまうほど夢中で採っていたせいか、すっかりおなかも空いて、3杯もおかわりをされた方もいるほどでした。クギタケは熱すると何と見事な紫色に。ちょっとびっくりするような色ですが味は美味でした。


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午後からは、講義室で富士演習林の紹介とキノコと人間のかかわりに関する話題提供を行いました。演習林の紹介では、東大演習林全体のご紹介と富士演習林の特徴とこれからやろうとしていることについて紹介させていただきました。キノコと人間のかかわりでは、キノコの生活史や学術的な特徴を説明した後、キノコと人との関わり、毒キノコの見分け方、キノコの食文化などに関する話題提供をさせていただきました。


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講演終了後の質疑応答では、なぜマツタケが最近減ったのか、キノコの発生と音に関係はあるのか、といったキノコに話題だけにとどまらず、森林と人の関わりに関して、原生自然ではない森林の価値、どのような森林がよい森林なのか、など深く考えさせられるような鋭い質問が続き、参加者の皆さんの自然観や森林観の深さにこちらが教わることばかりでした。最後まで熱心に討論をしていただき、イベントは盛会のうちに完了しました。





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