2012年8月30日木曜日

潅木類の処理実験(その2)

本日の山中湖:最低16.6℃、最高29.6℃、晴れのち一時雨
昨日、今日と、潅木類の処理実験その2をやりました。先週は焼却による処理でしたが、今回は破砕による処理です。
破砕はチッパーというエンジン駆動の機械を使います。
昨日は、実験開始前のメンテナンスにだいぶ時間がかかってしまいました。。。 これまで使用頻度が低かったので仕方ないのですが、フルチューンナップするいい機会となりました。
あとは単純。次々と潅木をチッパーに投入していきます。作業者の位置、ちょっと離れたところで、それぞれ騒音の大きさも測ります。一番大きな値では、ジェット機エンジン並みという120dBに近い数字も出ました。これをやるにはイヤマフや耳栓が必須ですね。

昨日、今日とそれぞれ30分くらいの処理作業をやったのですが、今日はエンジンの吹けが不安で負荷がかからないよう少しずつ投入したので処理量は少ないのですが、作業終了時はこんな感じです。昨日は2立法メートルくらい、今日は1.6立法メートルくらい処理し、できたチップはそれぞれ0.25立法メートル、0.22立法メートルくらいでした。なので、減容率は12~14パーセントくらいということになります。焼却に比べると、時間あたりの処理量は多いですが、かさは多く残りますね。
それぞれの処理方法の特徴がデータとして見えてきて、なかなか有意義な実験でした。

最後に、それぞれの処理作業について、リスクを評価。リスクの質の違いも明らかになったと思います。
今回の試験研究の結果は、11に行われる技術職員の研修会で報告される予定です。

2012年8月29日水曜日

ストーブがやってきた

本日の山中湖:最低13.8℃、最高28.7℃、快晴
ついに!富士癒しの森研究所の事務所にストーブがやってきました。
じゃーん!!
薪とペレット、両方焚けるストーブです。
実はこのストーブ、東日本大震災で被災したストーブです。岩手県釜石市の石村工業さんという業者さんが作られている「クラフトマンストーブ」という製品なのですが、工場が津波で全壊し、その後、がれきの中から見つかったものの一台です。津波に流されたため、傷があったり錆があったりしたそうですが、木質エネルギー利用につながるような活動に対して無料提供してくださるとのことで、当研究所の取り組みをご理解いただき、提供いただくことになりました。
石村工業さん、本当にありがとうございました。森と地域社会を結ぶための「要」として、活用させていただきます。
地域の皆様へ。近いうちに、見学できるような体制を整えます。ウェブサイト、このブログなどでお知らせいたします。
そのうち、愛称を付けてあげたいですね。

2012年8月23日木曜日

潅木類の処理実験(その1)

本日の山中湖:最低15.7℃、最高29.5℃、快晴

抜けるような青空、そしてほぼ無風。火を焚くには最高の条件、のような一日ですが、いまは真夏。そんな時に果敢にも盛大な焚き火に挑戦しました。

今年の試験研究の一つに、潅木類の処理方法の検討があります。林内の見通しを良くするために、数年に一度、潅木類を刈り払うのですが、これを林内に放置せず、処理・利用するとどうなるか、という検討です。
潅木類はとにかく「かさばる」のが難点です。いかにこれをコンパクトにするか、というのが処理のかなめになってくると思われます。
処理・利用のタイプは2通りを想定しました。
1.燃焼:灰、炭として減容化され、また、燃焼中は料理などする利用方法も期待できます。
2.破砕:チップとして減容化され、敷材などとしての利用方法も期待できます。

今日はその1番目の処理方法について実験を行いました。こんな夏の天気のいい日に…。
まずは、潅木類の量の計測。

0.25haの実証林の設定をした際、刈り払っていた潅木類を持ちだして積んであったものの層積体積(空気を含んだ体積)を測ります。およそ24立法メートルありました。

準備ができたら、ひたすら燃やします。
我々が使ったのは、長野のメーカーさんが作っている「無煙炭化器」というもの。
単純な形状のステンレスの輪っかですが、すごい勢いで燃え、熾きとして下に燃え落ちて行きます。温度も高く、時おり、赤外線温度計で測っていたら、800℃を超えることもありました。脇で記録係をやっていても、もう汗ダラダラです。

熾きがたっぷりたまったら、消化して、消し炭をならして体積を計測します。
この一連の作業を2セットやりました。暑いのに。。。
結果、一回の作業に1.5~2時間かかること、この日およそ4.6立法メートルの潅木類を処理したという計算になりました。消し炭として残る体積の割合はわずか4%程度でした。こんなに減るんですね。
どれだけの森林の面積をきれいにできるかという観点で見たときには心もとないかもしれませんが、逆に、この熱を利用する観点からみると、こんな細い木で、これまで見捨てられていたもので、十分すぎるくらいの熱利用ができる、という実感がありました。
あれだけたっぷりの熾きがあれば、これまで学生実習などでやっていた蒸し焼き料理などで何時間も楽しめます。
森のエネルギーのポテンシャルを感じる実験でした。欲を言えば冬にやりたいですね。


2012年8月21日火曜日

アルバイト・ヂンスト2012

本日の山中湖:最低14℃、最高29℃、快晴
今年で運動会学生の皆さんとの作業「アルバイト・ヂンスト」も3年目となりました。
(過去の記事はこちら→2011年度 2010年度
快晴に恵まれて、安心して外での作業ができました。

今回は、作業に参加してくれた学生さんは3人。これまで通り、大工さんに技術指導を受けながらの作業です。

学生さんたちのリクエストで、バーベキューをする際に食材を置けるようなテーブル、それから、荒れて危険な道への車の立ち入りを制限するための車止めが、今回挑戦した作品です。

まずは机、カラマツの間伐材で作ってあった角材を、電動丸鋸を使って必要な寸法に切っていきます。
角材は力を合わせて、ねじを打ち込んで固定していきます。

机の天板は、ヒノキ間伐材の板を継ぎ合せて作ります。板の長さがまちまちなので、ジグソーを使って滑らかなカーブを描くようにカットしていきます。このカーブをどのようにとるか、センスが求められます。

出来上がった天版はこんな感じ。紙やすりで磨いたり、消しゴムで鉛筆の跡を消したりして仕上げていきます。
天板と脚の接合部に切り込みを入れて固定するような細工をして、不要なときは取り外してコンパクトにしまえる仕様にして、ひとまず完成。大・小2台作りました。
車止めは、角材をクロスして固定した脚を作り、その上に角材を渡すことで道幅いっぱいを仕切ることにしたのですが、角材の収まりが良いように、ひと手間かける必要があります。
ノコギリとノミで角材がはまる切り込みを入れていきます。

切り込みに角材を固定し、さらに、ただの車止めでは面白くないのでベンチにもなるようジクソーマイスターとなった学生が作ってくれた腰かけ板を上に付け、さらにさらに、腰掛位置が高かったので足置きも設置し、完成。これも2台作りました。
大工さんが帰ってしまった後でしたが、作品とともに記念撮影。暑い中、ご苦労様でした!そして今年もすっかりお世話になった大工さんにも感謝!です。

2012年8月16日木曜日

気象センサの設置しました

本日の山中湖:最低18.1℃、最高27.7℃、晴れ
リアルタイムで現在の気象状況をインターネットに送信する装置を、Live-E!プロジェクト(詳しくは http://www.live-e.org/ )に参加して設置いたしました。観測項目は温度、湿度、風向、風速、気圧、降雨強度、二酸化炭素濃度です。今日は機器の設置まで完了しました。後日ネットワークへの接続作業を行います。観測を開始しましたら、富士癒しの森研究所のWebページで現在の気象状況を見ることができるようにする予定です。

写真は設置したセンサーです(軒に取り付けたポールの先端にセンサーがあります)。こんな(http://www.vaisala.co.jp/jp/products/multiweathersensors/Pages/WXT520.aspx)センサーで、てっぺんの鉄板部分で降雨強度を測って、上に突き出た3本の角で風向風速(超音波を使う)を測っています。