2015年12月23日水曜日

落ち葉焚き2015

本日の山中湖:最低-3℃、最高3℃、曇りのち小雪/雨
今年も大詰めとなってきました。
富士癒しの森研究所の年末の恒例行事といえば落ち葉焚き。
見通しの良い森林景観の維持のための手法として、落ち葉焚きを毎年実施しています。
今年は1名だけですが、体験活動プログラムに参加している学生も参戦。このほか、演習林学生や、スタッフの家族なども参加しました。
体験活動プログラム参加学生さんによる火入れ。
無事にマッチ1本でひをつけることができました。
朝から曇り空で不安でしたが、作業を始めてしばらくすると、ちらちらと小雪が。
でも、それも束の間、お昼近くには雨に変わってしまいました。
でも、そんなことを忘れるくらいに、火が焚かれ、どんどん落ち葉が片付いていきます。
毎年恒例のお昼のバーベキューはあえなく、室内に逃げ込んで。
チキンやシカのローストなど、様々なたき火料理、炭火料理をおいしく頂きました。
事務所の周りはきれいになった林内で新年を迎えます。
良いお年を!

2015年12月9日水曜日

木材搬出作業会2回目

本日の山中湖:最低-6℃、最高9℃、快晴
今期一番の冷え込みとなった今朝は、霜であたりが真っ白となっていました。
日が昇ってくると、どんどん気温が上昇し、2日目となった木材搬出作業会の参加者の皆さんが到着する頃には、ほぼ融けました。
本日の参加者は3組6名。

こじんまりとですが、その分間近でじっくり説明させていただいた上で、作業を体験していただくことができました。
トビもうまく使いこなして、材の進行方向をコントロールされていました。
もともとこういう仕事が好きなんだ、という参加者の方も。時々、伐採の仕事を請けたりもするそうで、確かに体のこなしなどが本格的です。

今回の参加者のみなさんも、そもそも間伐とはどんなものなのか、林業作業とはどんなものか、興味津々で、いろいろお話しすることができました。
最後には、森林から木材を出すということを自分自身で体験できて良かった、愛着を持って大事に使いたい、というような嬉しい感想もいただきました。
こうした感想をお聞きすると、やってよかったなあ、とこちらも実感することができました。
来週以降は、各自での積み出し作業が始まりますが、くれぐれも安全な作業をお願いしたいと思います。

2015年12月7日月曜日

木材搬出作業会1回目

本日の山中湖:最低-3℃、最高10℃、晴れ
この秋に間伐した材木を林道脇まで搬出しながら、安全な作業について知ってもらう木材搬出作業会が行われました。
初めての試みで、ほんとうに参加者が来てくれるのか不安がありましたが、ふたを開けてみたら、12組20名もの方が集まってくださいました。

さすがにここまでとは想定しておらず、まさに嬉しい悲鳴状態でした。
まずは、車列を組んで現場まで参加者のみなさんの車で向かい、安全作業に関する小レクチャーのあと、さっそく作業開始。
ちょっと人数が多いですが、午前中は1台のロープウインチに限定して、金具の接続方法などじっくりと作業手順を確かめながら作業を進めました。
ウインチ本体の使い方もじっくり覚えてもらいました。

午後にはウインチを2台に増やして、なるべく多くの木材を出してもらいました。
みなさんとても飲み込みが早く、自然と役割分担ができて、次から次へと仕事が流れていきました。初対面のみなさん同士でもご後の作業ではぴたりと息が合っていて感心しました。
トビさばきもなかなかのものです。
丸太を椪積みする際に使った木材トングは、なかなか使い勝手が良いと評判でした。
本日は搬出した材積の計測はできませんでしたが、おそらく5,6㎥は出せたのかな、と思います。
いろいろ想定していないことが多く、不手際でご迷惑をおかけした部分もありましたが、辛抱くださり、ありがたい限りでした。
本日の参加者のみなさま、ご苦労さまでした。ゆっくり体をお休めください。
また2日後に2回目を実施いたします。こちらもよろしくお願いいたします。

2015年12月6日日曜日

全学体験ゼミ「癒しの森を創る(冬)」2015

本日の山中湖:最低-4℃、最高9℃、晴れのち曇
4年目となった1,2年生対象の全学体験ゼミ「癒しの森を創る(冬)」の現地実習がこの土日で行われました。
今回は、これまでで最多となる9人の学生が受講しました。
人数が多いので、まとまりにくいかと心配でしたが、それは杞憂で、うまく役割分担して作業に取り組んでいました。
まずは環境整備は必要、ということで運動場にもなるエリアの落ち枝や落ち葉を取り除いて林床をきれいにしました。
そして、これをたき火でどんどん焼却処分します。
学生はマッチで着火するのも初めてで、火がだんだん成長していく様子が興味深かったようです。
すぐくすぶってしまって燃えにくい落ち葉の燃やし方も、徐々にコツを掴んでいったようでした。
もう一方では、新しい遊具施設として、シーソーの製作に取り組むチームも。
4mほどの長い間伐材の皮をむいて、筏のように連結してシーソーの座面が作られました。
シーソーの軸とするのは大きな丸太。
とても人力では持ち上げられないので、トビを使って転がしながら設置場所まで運びました。
いちおう完成のシーソー。
けっこうな高さが出て、スリルがあるようです。歓声が上がっておりました。
小枝でなにか編み物のようなものを作っている学生もいます。
バスケットボールのゴールとのことでした。
これを木と木の間に張ったひもに固定して宙づりのバスケットボールのゴールになっていましたが、ボールを入れるにはかなり難易度が高かったようです。
2日目は、夏学期に作られた「やまなかかふぇ」の椅子の改良作業、ということで、板を使って座面を切りだして、固定しました。
かなりすわり心地が良くなったと自画自賛でした。
最後に改良された「やまなかふぇ」で記念撮影。
今回の学生さんもお疲れ様でした!

2015年11月13日金曜日

間伐作業の一週間

本日の山中湖:最低4℃、最高11℃、曇り。
今週は、秩父演習林からの協力を得て、ひたすら間伐作業をする一週間でした。
今回間伐したのは、山中湖のような寒冷な地域で育てる樹木としてどんなものがいいのかを調べるために設置された寒地性樹種試験地という実験林です。
ヨーロッパトウヒ、ストローブマツ、ウラジロモミ、トドマツなど、一般的な林業地ではあまり見られない樹種が、今回の間伐の対象でした。
設定されてからおよそ50年を経た森林で、大きなものは胸高直径50cm近くまで成長しています。さらに、間伐対象木の本数も400本以上と多く、秩父演習林からのベテラン職員の協力を得ての作業となりました。
追い口を切った後に、クサビを用いて見定めた方向に木を切り倒していくという方法です。
周りに引っ掛かりそうな木がない時に有効ですが、作業効率が良いです。
クサビでは難しそうな木は、ロープウインチを使って伐倒方向へ確実に誘導します。
これが間伐を施す前の森林の様子です。
この5日間で予定していたすべての間伐が終了しました。
そして、森の様子はこのようにだいぶ見通しの良いものになりました。
今回切り倒した木は、来月に木材搬出作業会で地域の皆さんと林道脇まで引き出して、薪原木として希望する方に提供させていただく予定です。
また、穂先の形状のいいものは、クリスマスツリーとして東大本部キャンパスのほうで活用される予定です。

2015年11月9日月曜日

木材搬出作業会と薪原木提供のお知らせ

NEW!!末尾によくある質問(FAQ)を載せました。

富士癒しの森研究所では、今年度、試験地の間伐を実施しております。
この作業によって発生した間伐材を、地域のみなさまと共同で林道脇まで搬出し、作業に参加して下さった方に薪原木として提供する試みをいたします。
https://drive.google.com/file/d/0BwnfzgZkqzZAYW5fbW1QMVN2N2M/view?usp=sharing
●木材搬出作業会について
日時   :12月7日(月)および9日(水)
       いずれも9:30集合、15:30解散
参加申込:不要。集合場所に自家用車等でお越しください。
内容   :①安全作業に関するミニレクチャー
       ②機械(ロープウインチ)を用いた間伐材の搬出
集合場所:富士癒しの森研究所「馬場」
       集合後、各自の車で、作業現場まで移動します。
その他 :作業のできる服装でお越しください。昼食は各自ご用意ください。

●薪原木提供について
  • 搬出作業会で搬出した薪原木を薪原木として提供します。
  • 薪原木を提供するのは搬出作業会に参加された方に限ります。
  • 搬出作業日の参加は12/7、12/9のいずれかでかまいません。
  • 各自で持ち出し作業を行っていただきます。
  • 持ち出し作業に用いる車や道具は各自でご用意ください。
  • 持ち出し作業は必ず2名以上のグループで行ってください。
  • 持ち出し作業は12月14日~3月末までの平日で、事前に富士癒しの森研究所との日程調整が必要になります。
  • 詳細は木材搬出作業会にて案内します。
●よくある質問(FAQ)
Q.木はどんな種類ですか?
A.主にヨーロッパトウヒ、ストローブマツで、ほかにウラジロモミやトドマツとなります。すべて針葉樹です。

Q.搬出作業会当日には、木材をもらって帰れませんか?
A.当日は木材を林道脇に搬出するのみとなります。12/14日以降の平日にお願いいたします。

Q.薪原木搬出の際にコード有の電動チェーンソーは使えますか?
A.申し訳ありませんが、大学から電力を供給することはできません。また、今回の現場には電源がありません。チェーンソーをお使いになるのであれば、エンジン式もしくは充電式電動チェーンソーをお使いください。

2015年10月27日火曜日

技術職員の研修ウィークの始まり

本日の山中湖:最低3℃、最高20℃、晴れのち曇り
今週は各地の演習林から技術職員が集って様々な研修が行われる一週間です。
本日から、本格的な実践研修が始まりました。
まずは、間伐研修。
ロープウインチで牽引しながら狙った伐倒方向に正確に倒します。
倒したら反省会。木口の様子を観察して、チェンソーの入れ方が適切だったのか、どう改善すればよいのか話し合います。

本日は特別に、木登りの特殊技能のデモンストレーションも行われました。

ぶり縄という伝統的な木登り技能とツリークライミング技術を複合させて、体が落下する余地のない、きわめて安全な木登りを見学することができました。

2015年10月3日土曜日

特別ガイド「キノコに親しむ」2015

本日の山中湖:最低12℃、最高23℃、晴れ
さわやかな秋晴れの下、この時期恒例となった、東大教職員向けの特別ガイド「キノコに親しむ」が
行われ、27名の方が参加されました。
キノコの発生は、先週がピークだったようで、今日は全体的に古いキノコが多かったですが、それでも、この人数で探すと、けっこう見つかります。みなさんキノコを探す目がとても真剣でした。
途中、クリ拾いにも興じながら、午前中はキノコ汁用のハナイグチやナラタケを集めました。
お昼はキノコ汁とともに、ホテイシメジの焼きキノコを提供しました。
ホテイシメジを炭火で焼くと、ぷーんとなんとも香ばしい匂いが漂います。
これでお酒が飲めないのが、本当に残念です。
お酒飲まない人限定で、ということで参加者のみなさんにも食べていただきましたが、飛ぶようになくなっていました。
午後はエリアを変えて、いろいろなキノコ探し。
運よく見つかったタマゴタケは被写体としてモテモテで、みなさんの写真のモデルになっていました。
午後に皆さんが取ってきてくれたきのこは実に多種多彩。
えっ、これもキノコなの?というものもあり、お子さんも解説を興味深そうに聞いていました。
キノコとの出会いは一期一会、たくさんのユニークなキノコに出会えてよかったですね。

2015年9月27日日曜日

国際農学実験「山の幸を探る」

昨日の山中湖:最低14℃、最高20℃、曇り
本日の山中湖:最低17℃、最高21℃、曇り
数年前から開講していたものの、受講者がなかったため休眠状態だった、農学部の国際農学開発専修の実習「山の幸を探る」がこの2日間初めて行われました。
今回「山の幸」のターゲットは、食材と染色材に絞ってプログラムが行われました。
演習林を歩きながら、食材となりそうなもの、染色材になるものを採取しました。
今回は、キノコが各地で大発生。特にハナイグチがあちこちに。
初日の夜はさっそく、染色実験に取り掛かります。
時間を見ながら講義を中断しては、染色プロセスを進めました。
今回は4種の植物(アカネ、マメザクラ、ナンブアザミ、ヤマグワ)、4種の繊維(絹、木綿、麻、毛糸)で染色を試しました。
出来上がると以下のように。
横列には、アカネ→ヤマグワ→アザミ→マメザクラの順に、縦列は絹(しぼり)→麻→木綿の順に並べてみました。
2日目のメインは、森の食材を使った調理実習です。
ハチの子を巣盤から取り出したり、

クルミを割って実を取り出したり、山の食材を食べるまでの「手間」も体験してもらいました。
飯炊きは薪でがんばりました。ちょっと火が強すぎたかな…。
ちょっとおこげが多くできちゃいましたが、まずまず成功といえる「森の恵みの炊き込みご飯」ができました。具は、ムカゴ、クリ、ハツタケです。


なんとか12時過ぎには、すべての料理が完成しました。
メインディッシュは、シカ肉のロースト、キノコソースとナツハゼ(ブルーベリーの仲間)ソースを添えてみました。
炊き込みご飯の他に、サンショウの田楽味噌、クルミの田楽味噌でそれぞれ焼きおにぎりも作りました。ご飯ものには、ハチの子の佃煮を添えて。
そしてぬめりのあるキノコたっぷりのキノコ汁でフィニッシュ。
学生の皆さん、初めての味ばかりだったようですが、おいしいおいしいとがっつき、ほぼ完食となりました。

2015年9月16日水曜日

第1回「癒しの森の植生調査隊」が行われました

本日の山中湖:最低13℃、最高18℃、曇りのち雨
富士癒しの森研究所で設定した実証林の植生調査を地域住民のみなさんと一緒にやろうという試み「癒しの森の植生調査隊」が、NPO富士山自然学校さんとの共催で行われました。
(趣旨等はこちら
参加者は予想外に多く17名。一番遠くは福島県から(!)の参加でした。近いうちに移住される計画があるのだとか。
なにせ、住民参加型という形態も、森林内の下層植生に着目する調査方法も初めての経験なので不安が大きかったですが、とにかく遊びのつもりで成果は二の次、楽しくやりましょう、ということで望みました。
3つの班に分かれて、担当調査区に散って、調査スタートです。
調査区はお手製の半径1mの枠です。
この中にある植物の種類、被度(どれほどの面積を覆っているのか)、最大高を記録し、木本植物については、位置を見取り図にメモしていきます。
みなさん、自然好きな方々なので、当初の不安は杞憂でした。調査区内をじーっと覗き込んで新しい種がないか、見つけ出すのが楽しくてしょうがないようでした。
せいぜい一つの区内に10~15種くらいだろうと高をくくっていたのですが、あるわあるわゆうに20種以上が見つけ出されました。こんなに多様性が高いというのは、お蔭様で勉強になりました。
そうこうしていると、あっという間に時間が過ぎて、予定の調査区の半分強が完了したところで、時間切れ。残りの調査区は簡単な観察だけしました。
興味深いことに、強度間伐をして明るくなった調査区では、カラマツの実生が多くみられました。もしかすると、次世代のカラマツが育っていくかもしれません。
午後は、広く林内を散策しました。
長年この村に住んでいても、入るのは初めてだという方もいらっしゃり、今後みなさんがこの森を活用しやすいようにするのは大きな課題だと改めて思い知らされました。
この調査は今後も毎年行っていく予定です。今回調査した調査区は1年後どんな様子になっているでしょうか。
また、今後ともこのつながりを大事にして、この研究所の森が地域のみなさんに愛着を持ってもらえるようにしていきたいと思います。

2015年9月7日月曜日

学生体験プログラム2015

本日の山中湖:最低18℃、最高23℃、曇り一時雨
今年も学生体験プログラムが、今日明日と二日間行われています。
今回は4年生と2年生の学生、計2名の参加です。
雨が心配されましたが、初日は時折降られながらもあまり影響を受けず、屋外での作業を行うことができました。
まずは、柴刈り。このプログラムのタイトルが「癒しの森の森林管理~おじいさんは山へ柴刈りに」となっているので、外すわけにはいきません。
切り口が平らになるように刈取りはノコギリを使ってもらいます。
もはやおなじみとなった柴垣づくり。刈り取った柴の小枝をナタを使って払ってもらいます。
今回の学生さんは筋がよく、ナタ使いにすぐ慣れていました。
太めの柴から作った支柱を2列に打ち込み、それぞれ長い柴で交互に編みこみ、その中に払った小枝を詰め込んで柴垣の完成です。やはり編み込みの作業が楽しかったようです。
次は、うって変わって、おなじ「しばかり」でも、草のほうの芝刈りです。
乗用芝刈り機を使っての湖畔広場の芝刈りを体験してもらいました。
若干覚えることが多いのですが、呑み込みが早く、これもすぐに慣れていました。
芝地は頻繁な管理作業が必要だということに、深く納得していたようでした。
翌日はさらに天候が悪化する予報だったので、もしかしたら、東屋の中で薪割りをすることになるかも、ということで、この日の最後は薪割りの基礎技能訓練。
オノを使っての薪割りを覚えてもらいました。最初はおっかなびっくりでしたが、これもすぐ慣れて、20分ほどもすると、気持ちよく薪を割っていました。