2016年12月24日土曜日

落ち葉焚き2016

本日の山中湖:最低−3℃、最高6℃、快晴
今年も大詰めとなり、いよいよ今年最後の行事「落ち葉焚き」が行われました。
職員の家族や演習林の学生が、事務所脇の景観見本林の落ち枝と落ち葉をかき集めて盛大な焚き火をしました。
落ち葉を効率的に燃やすために、初めに落ち枝を十分に燃やします。

その後、落ち葉を投入すると、もうもうと煙が立ち上がります。時々あおいで、よく燃えるようにする必要もあります。
今年は前々日に大雨が降って、湿り気が心配されましたが、順調に焚くことができて午前中でおよそ予定していたエリアの落ち枝・落ち葉を燃やすことができました。

昼食は恒例の焚き火料理に舌鼓。かぼちゃの丸焼きには子供たちが群がっていました。
それではまた、来年。

2016年12月11日日曜日

全学体験ゼミ「癒しの森を創る(冬)」2016

10日の山中湖:最低−5℃、最高7℃、晴れ
11日の山中湖:最低−8℃、最高6℃、晴れ
恒例となった全学体験ゼミ「癒しの森を創る」も5年目ということで、今回を持って一区切り、最後の開講となります。
最後の参加学生さんは7名。冬らしい天候の中、どのような癒しの森を創るのか、どんな過ごし方をするのか、早速考えてもらいました。
今回は、複数のことはせずに一つのことに集中することになりました。
何をするかというと、「足湯」。これまで何度かアイデアが出ては、実現性が厳しいということで断念してきたものです。
作業前のミーティングでは、大きさと必要な水の量を計算してみて、水を運んだり、お湯を沸かす観点から、極限までコンパクトな設計を考えて行きました。
作業としては、比較的単純ですが、なかなか体力がいります。
まずは、穴掘り。設計の寸法になるべく合うように、最後は丁寧に整形しながらの掘り出しです。
なるべく木の根が入っていなさそうな場所を選んだので、意外にスムーズに掘れたかもしれません。
水漏れを防ぐために、シートを敷きました。
お湯は焼け石を入れて温める計画にしたので、さらに、木の板で内面を囲うことにしました。
これで、ひとまず浴槽の完成です。
なぜか棺桶ごっこが始まり、かわるがわる浴槽内に入って、「これいい」、「癒される〜」などと感想を述べていました。本当でしょうか。。。
必要なお湯の量が多いだけに、本当に十分なお湯ができるのか確かめておきたいということで、15リットルほど水が入る鍋に焼け石を投入してどのくらい温度が上がるか、実験をしてみました。
焼け石を水に入れると。ジューっといい音がするのですが、思ったより温度が上がらず、10℃ほどしか水温を上げることができませんでした。
さらに、その後、薪ストーブに鍋を乗せて沸騰するまでどのくらいかかるか調べてみたところ、なんと1時間ちょっとかかってしまいました。
計画の実現性に暗雲が立ち込めてしまいました。
夜のミーティングでは、当初予定していた水の量は諦めて、水深10センチ程度で行こうと計画変更しました。また、とにかく焚き火に早く取り掛かって、野外カマドも投入し、大鍋二つを沸騰させることにし、予備の加熱用としてなるべくたくさんの焼け石を用意しておく、ということにしました。
さて、二日目は、枯れ木を切り倒して、薪割りもして、カマドと薪ストーブをフル稼働。10時半頃には、大鍋二つなみなみの熱湯を用意することができました。
富士山を見ながら浸かりたい、という希望があり、掘り出した土の山を富士山に見立てて、灰をまいてデコレーション。十分、富士山のように見えますね。これで準備万端です。
さて、沸騰したお湯を湯船に入れてみると、、、思った以上に温度が低下しません。用意していた水で薄めても、とても入れるような温度まで下がりませんでした。草津温泉に習って「湯もみ」をして見ましたが、やはり十分には下がりません。
嬉しい誤算ですが、木の板が強力な断熱材として働いたようです。また、シートを二重折にしていたので、その間の空気層も功をそうしたのかもしれません。
というわけで、急遽水量を増やし、十分な深さでの足湯を試すことができました。
ミニ富士山を眺めながら、しばし足湯を楽しみました。
お昼ご飯は、定番のバーベキュー。今年は、焼け石が大量にあったので、石焼焼肉を楽しみました。
なかなか実現することができなかった足湯が、しかも冬に実現したとあって、このゼミは有終の美を飾って幕を閉じることができました。

2016年11月30日水曜日

第1回安全作業講習会

本日の山中湖:最低−6℃、最高6℃、晴れのち曇り
先週の雪には驚きましたが、週末の雨で、ほとんど雪が消え、心配されていた安全作業講習会を無事に開催することができました。
今回は3組6名の方が参加されました。

特製テキストに基づき、現場で作業の安全確保のためのレクチャーをさせていただきました。

今回重点的に説明させていただいたのは、林内での玉切り作業についてです。
林内は不整地のため、安全な玉切り作業をするためにはいろいろ気をつけなければならないことがあり、実地に即して説明させていただきました。

2人1組での作業の仕方として、トビで丸太の木口を浮かして切る方法などを実際に体験もしてもらいました。

今回参加した皆さんは、後ほど、薪割り機を使って現場で薪作りをすることを予定されている方もいるため、薪割り機の安全な使い方について、実際に薪割り機を運転しながら学んでもらいました。
この安全作業講習会は第2回として次回は12月14日に開催予定です。



2016年11月18日金曜日

クルミじゃぶじゃぶ

本日の山中湖:最低-1℃、最高12℃、晴れ
クルミじゃぶじゃぶ…
ピンときた方、こない方、あるかと思います。
今日は今年採ったクルミの実を、普段知ってるクルミの状態にする処理をしました。

先ずは職員二人がかりで、木の棒2本流、筆者はゴム手袋流で、
ひたすら黒い果肉を取り除いていきます。
実と実をこすり合わせるような感じで、
真っ黒になる水を飛ばさないように気を付けながら、
じゃぶじゃぶ、じゃぶじゃぶ…
最初はドロドロの真っ黒。
何度かすすぎ、
またじゃぶじゃぶ、じゃぶじゃぶ…
この作業を繰り返していくと、
おなじみのクルミの姿になりました。
あとはよ~く乾燥させます。
これで作業は終了。
学生実習などに使用する量として十分足りそうです。
あとは実入りが良ければいいですね。

そろそろ凍結の心配など、冬支度を考え始める富士癒しの森研究所ですが、
写真の細かい落葉松の葉にご注目。

落葉松の落葉がピークを迎え、まるでシャワー状態。
風吹くたびにこの有様でした。
落ち葉掃きをしながら、秋終盤を痛感する一日となりました。


2016年11月15日火曜日

薪づくりのための「安全作業講習会」のお知らせ

NEW!
12月14日(第2回)の天候対応について
第2回安全作業講習会を予定している12月14日ですが、雪になる可能性が出てまいりました。
確実な荒天が予想される場合は、前日(13日)の17時までに判断をし、参加予定の皆さまにお知らせいたします。
なお、荒天が予報されていない場合であっても、当日になって中止を判断する場合がありますので、あらじめご了承ください。
(2016.12.12)
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富士癒しの森研究所では、昨年度に引き続き、植林試験地での間伐作業を行っております。この間伐によって発生した木材を、薪ストーブの薪などに希望される方に提供したいと思います。
現場での作業を行っていただくために、安全作業会を実施します。もちろん、純粋に安全作業を学びたいという方の参加も歓迎いたします。
上記のチラシをご参照ください。

<薪原木採取・薪づくりについて>
  • 11月30日、12月14日いずれかの安全作業講習会に参加された方は、後日、間伐木を現場で玉切り、薪割りの上、持ち帰っていただくことができます。
  • 間伐木は針葉樹(チョウセンゴヨウマツ、アカエゾマツ、シラビソ)です。
  • 作業は必ず2名以上のグループで行ってください。作業参加者は全員が安全作業講習会に参加する必要があります。
  • 作業は一日2組限定とします。うち、1組は薪割り機(下の写真のものです)の利用ができます。

  • 薪割り機を利用する場合は、ガソリンを満タンにして返していただきます。また、作った薪の1割ほどを研究所に提供していただきます。
  • 1組に1本のトビと人数分のヘルメットをお貸しします。
  • その他の道具や車は、ご自身でご用意ください。
  • 作業は12月1日〜3月末までの平日で、事前に富士癒しの森研究所との日程調整が必要になります。
  • その他、詳細については安全作業講習会にてご説明いたします。

2016年10月24日月曜日

アジア・アフリカの皆さん御一行がいらっしゃいました

本日の山中湖:最低4℃、最高13℃、曇り
今日は東京大学のアジア生物資源環境研究センターの皆さんと、そこが招待している海外の学生の皆さんが、大学院の講義を兼ねて富士癒しの森研究所に見学にいらっしゃいました。総勢27名の参加があり、にぎやかに見学がスタートしました。
参加した学生のほとんどは熱帯アジア・アフリカから、ということもあって寒さを心配していましたが、こうした気候の森はとても興味深かったようです。
人工林では、枝打ちをしていないのに枝が枯れ上がって通直な幹が見られる様子は珍しいもののようでしたし、年輪も興味をひくようで、丸太の断片を見ては年輪を数えていました。また、冬芽の存在も珍しかったようです。
大学院の講義では、植生撹乱が一つのテーマになっていたので、湖畔に出て遠くに見える草山や湖畔の水際の植生について観察してもらいました。
事務所周りでは、森林景観整備と木材の燃料利用の実例について解説し、木材を薪にするための様々な道具を見てもらいました。
聞いてみたところ、これまで薪割りをしたことのない人ばかりで、海外の学生向けへもこうした体験を提供していくことは重要なのかもしれません。
最後は癒しの森講義室の見学です。
さすが学生さんは、説明しなくても内装に使われる木材がすぐ目に止まり、これはどういう木材か?何か塗ってあるのか?と聞いてきます。
そして、木肌を撫でてはじっくり木材を鑑賞してもらいました。
こうした機会は、我々が普段あまり気に留めていないことが重要なこともあると気づかせてくれる機会でもあり、ありがたかったです。

2016年10月23日日曜日

全学体験ゼミナール「危険生物の知識(秋編)」2016

22日の山中湖:最低8℃、最高16℃、曇り
23日の山中湖:最低7℃、最高19℃、晴れのち曇り
今年も全学体験ゼミ「危険生物の知識(秋編)」の現地講義が行われました。
1年生を中心に20人の学生が参加しました。
まずは翌日の観察のために、ピットフォールトラップを設置します。
オサムシなどの地表徘徊性の虫が捕まってくれることを願って。
その後、早速林内へ見学へ出かけました。
まず立ち寄ったのが7月に見つけておいた地蜂の巣穴です。ここではしばらく働きバチが元気良く通っているのが観察されていましたが、9月にオオスズメバチの襲撃を受けて巣が壊滅してしまいました。
今回、初めての試みとしてiPadを使って、現場でオオスズメバチに巣が襲撃される様子を見てもらいました。
7月には岐阜県の恵那農業高校のHEBOクラブの皆さん、全国地蜂連合会の皆さんに来ていただき、危険箇所の地蜂の巣を撤去、木箱に移設してもらいましたが、今回もご協力いただいて、自然巣と木箱に移設した巣の収穫の様子を見せてもらいました。
木箱に移設した巣は、木箱の大きさの限界まで成長しており、計測すると1.35kgありました。これは、餌を与えずに自然に育つものとしては、かなり大きなものだそうです。
ゼミの受講生もちょっと遠巻きながら、興味津々の様子でした。
巣の中の「蜂の子」の中でも、蛹になったばかりの白いものは、生で食べても美味しいそうで、薦められて試している学生も多くいました。
その後、危険な植物の観察やきのこ採取をしながら、山中寮へ戻りました。
山中寮では、林内で採取された植物やきのこを用いた実験です。
かつて行われていた魚毒漁を実験で確かめる実験、またかつてハエトリなどと呼ばれていたキノコの効果を試す実験などに取り組みました。
キノコの実験は一晩おいてから効果を確認します。
夜には特別ゲストとして、ハチの生態に詳しい昭和大学の萩原先生に来ていただいて、ハチへの接し方を考える基礎となる様々なお話をいただきました。
人を指すハチは実はそれほど多くないこと、ハチの毒自体はあまり強くないこと、怖いのは人の体の反応でこれが人によって様々であることが、詳細なデータや経験談を交えてわかりやすく解説していただきました。

2日目は、まずピットフォールトラップの結果を確認。
去年はなかなか大物が掛かっていたので期待したのですが…、今年は残念ながらおめあての地表徘徊性昆虫は見つかりませんでした。が、ムカデなど、人に危害を加える可能性のある虫が確認できました。
最後のプログラムは、実習で使った魚や植物、付近のキノコを使った調理実習です。
中でも地蜂の巣から「蜂の子」を取り出す作業が手間がかかって大変でした。
恵那農業高校の皆さんに指導いただきながら、丁寧に、そして時に大胆に取り出していきます。
この作業を「ヘボ抜き」というのだそうです。
味噌汁用に山中寮の付近に発生していたヌメリスギタケモドキ、ウスヒラタケを採取してもらいました。
実験に使ったニジマスは炭火で焼いて、サンショウの実をすりつぶして作った田楽味噌を塗ってさらに炙って、焼き魚田楽として美味しくいただきました。
最後に、昼食を食べながら、全国地蜂連合会・顧問の立教大学・野中先生に昆虫食のいま・未来について、文化の大事さに触れながらお話しいただけました。
危険生物という切り口ながら、我々の自然に対する文化にも考えを広げる学習の機会になったのではと思います。

2016年10月18日火曜日

国立台湾大学生のエクスカーション

本日の山中湖:最低10℃、最高23℃、曇り
先週から東京大学演習林には国立台湾大学の学生さんが海外学習にいらっしゃっています。
先週いっぱいは北海道、そののち愛知の生態水文学研究所、東京の農学部キャンパスと見学を重ね、最後の見学地として富士癒しの森研究所にいらっしゃいました。
訪問した学生さんは4目。まずは講義室で、当研究所の課題と取り組みについて簡単に説明してから林内見学のスタートです。

ちょうど技術職員による間伐の研修が行われていたので、間伐の一部始終を見学してもらい、間伐の難しい点や、当研究所で取り入れている安全性と簡便性を追求した技術について知ってもらえました。

森の中では運良くヤマブドウも見つけることができ、美味しいと好評でした。
葡萄はあちらでも同じ漢字を書くので、筆談でうまく伝わりました。
サンショウは日本では山椒ですが、あちらでは花椒ということで筆談を通じながら話が盛り上がりました。

事務所に立ち寄った際には、どうしてもやりたい、というリクエストがあり、急遽、薪割り体験をすることに。今までやったことがないのだそうです。
4人ともなんとか割ることができ、盛り上がっておりました。
最後にレポートを書いてもらって解散となりましたが、中には、将来的に日本で勉強したいと書いてくれていた学生もいました。
国際交流の機会は大事にしていきたいですね。

2016年10月5日水曜日

間伐木の選木

本日の山中湖:最低13℃、最高24℃、曇りのち雨
昨年に引き続き、富士癒しの森研究所では、今年も寒地性樹種試験地の間伐を予定しています。
今月には間伐作業が行われるということで、急いで間伐対象となる木の剪定を行いました。

今年、間伐を予定しているのはチョウセンゴヨウマツ、アカエゾマツ、シラビソです。
直径階ごとの目標本数を定めた上で、空間配置を考慮しながら、間伐対象となる木を選んでマーキングしていきました。
今年も全体で数百本ほどの伐採木が発生する見込みです。
昨年度は、木材搬出作業会を実施しましたが、今年度も地域の皆さんに間伐材を提供できるような催しを考えております。
詳細が決まりましたら、当ブログなどでお知らせしますので、ご期待ください。

2016年10月1日土曜日

特別ガイド「キノコに親しむ」2016

本日の山中湖:最低14℃、最高19℃、くもり一時霧雨。
毎年恒例となっている東大教職員向け秋の特別ガイド「キノコに親しむ」が今年も開催されました。
天気が心配されていましたが、なんとか霧雨程度で済み、キノコを探しながら歩くには、あまり気にならない空模様でした。
今年も41名と多くの方に参加いただきました。
今年の秋はあまりに雨続きだったためか、あるいは冷え込みが弱いためか、キノコの発生が低調です。ようやく本命のハナイグチが出始めていますが、まるで店頭で売っているナメコのような大きさで、見つけるのに苦労しました。
そんな状況にもめげず、参加者の皆さんは黙々とキノコを探していました。
少し大きな群生を見つけると、大興奮。立ち並んだキノコたちの写真撮影会をひとしきりしてからお昼の食材として収穫しました。

心配していましたが、それなりに食べられるキノコの収穫があったので、恒例の焼きキノコとキノコ汁を作って皆さんの昼食時に提供しました。
キノコが嫌い、と言っていたお子さんも、焼きキノコを黙々と食べていました。
午後は、二手に分かれて、とにかくたくさんの種類のキノコを集めることを目的にして林内を散策しました。
こんな鮮やかなキノコにも出会えました。これはアカヤマタケ。透き通るような傘の赤と柄の黄色が、森の中で異彩を放っています。
最後に、皆さんが集めたキノコをずらりと並べて、本日のまとめ。
条件が厳しいながらも、なかなかたくさんのキノコが見つかって、皆さんにそれなりに楽しんでいただけたのではと思っています。

2016年9月14日水曜日

第2回癒しの森の植生調査隊


本日の山中湖:最低18℃、最高21℃、曇り
昨年度から始まった実証林での植生調査は2年目を迎えました。
秋雨前線が停滞して天気が心配されましたが、なんとか曇りでとどまって調査を実施することができました。
本日は11名の方に参加いただき、3班に分かれて調査をしました。
今回初めて植生調査をする方も多かったですが、調査枠を設置して種ごとの被度や最大高を測定をしていると、だんだん目が慣れてくるのか、「こんなのもあった」と目ざとく新しい種を見つけていきます。
他にないか、とじっくりと調査枠内を観察することになり、一つの調査枠に30分以上かけて観察することもありました。
今回では到底、予定していた調査枠を調査しきれなかったので、最後に、他の調査地点では昨年と比べてどのような変化があったのか、ざっと観察して回りました。
やはり大きな変化があったのは、強度間伐をしたエリアです。全体的に植物の丈がぐんと伸びていました。詳細な様子は後日、追加調査をして明らかにしていきたいと思います。